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本漬け

撮影:1996/07/15(Mon)、作成:1996/07/22(Mon)

1 赤紫蘇のアク抜き
生梅1kgに対して赤紫蘇1把程度(250g前後)とよくいわれるが、過去2年間その割合ではどうもよくつからない。今年いつも買いに行く八百屋のおばちゃんに聞いてみた。毎年、マウンテンバイクに乗って、トマトを10kg単位で購入するので、一発で覚えられている。おばちゃんの話によると最近の赤紫蘇はつかりが悪く、梅1kgに対して1.5〜2把程度必要とのこと。その時に「もみ紫蘇」の存在を教えられる。
今回従来通り自分で赤紫蘇のアク抜きをする方法に約6kg分。もみ紫蘇を使う分に4kg分割り振って作ることにした。

上左端の写真は10把、約2.3kg分の赤紫蘇である。柔らかい葉を摘みとったものが上中の写真で、このステンレスタライは直径36cmある。結構な量だ。これに「海の精」を約100g程度ふりかけてよく両手で揉むと、上右端のような黒っぽいアクがでてくる。このアクを捨てて揉みつづける。一度アクをキレイに捨てて、「海の精」を約100g程度ふりかけてさらに揉み続ける。汁がほとんどでなくなり、出たとしても赤紫蘇独特のキレイな色が出るようになったらアク抜きは終了である。上の写真のように握り拳程度の量まで嵩が減る。

2 本漬け
さて、いよいよ本漬けである。下左端のように梅酢が上がっているので、ヒタヒタ程度になるまで梅酢を取る。この梅酢は煮沸殺菌したビンに詰めていろいろな料理に使える。この梅酢にアクを抜いた赤紫蘇を浸し軽く揺すってやると鮮やかな赤色に変色する。私はこの作業を2年前に初めてした時、梅干しのあの赤い色は本物だったんだ、と強く感動した覚えがある。それほど鮮やかななんともいえない色が出る。この梅酢と赤紫蘇を梅の上にかぶるように乗せる。この時瓶全体をゆすれ、と物の本に書いてあるが、キレイに赤い色がつかなくてもいいので、私はそのままにしている。その後また磁器皿を裏返しにのせて、再度重石をする。この時の重石は梅と同量程度が良いとされるが、私の場合は下漬けの時から梅と同量程度の重石である。

但し下中央の紫蘇は市販品のもみ紫蘇である。

3 梅酢があがるまでのカビ発生
さて、今回全部で4瓶分、各々約2.5kgずつ漬けたのだが、一つだけカビが発生したものがあった。昨年まではカビ発生にはまったく経験していなかっただけにややびっくりした。
発生したカビはわずかではあったが、梅酢をよく見ると発生していないものに対してやや濁った感じがする。カビが発生した場合、梅酢をホウロウ鍋に入れて煮沸し、梅は焼酎などでふき取った後、冷めた梅酢にもどすのが正しい処置らしいが、今回はカビがわずかであることから、カビを取り除き、梅酢を日光にあてて消毒するだけで可と判断した。ただしこのロットは単独で保管して以後要注意ロットとする。
4 本漬け手抜きバージョン
梅干し作成で面倒なのは3点ある。
  1. ヘタ取り
  2. 赤紫蘇のアク抜き、
  3. 土用干し
その中でも一番面倒なのは赤紫蘇のアク抜きであろう。やりだせばそんなに面倒でもないのだが、葉を一枚一枚しごいて摘み、「さあ、塩もみ」というところまで気持ちを高めるのは結構しんどい。そんな中、この「もみ紫蘇」があれば、梅酢があがった瓶の中にバラまいてやれば本漬け完了、といたって簡単である。
ただ問題があるのは、このもみ紫蘇に使われている塩である。せっかく本体の梅は「海の精」を使用しているのに、もみ紫蘇が普通の塩では台無しだ。そこで電話で塩の銘柄を確認した。残念ながら「海の精」ではない。もっとも「海の精」を使用していたらこの値段では到底ペイしないのだが。今回ヒアリングした農業共同組合はどちらともミネラルを一応含んだ塩を使用しているので、まあ許される範囲であろう。
生産者大分大山町
農業共同組合
紀南
農業共同組合3
普通の
赤紫蘇
電話番号0973-52-31510739-25-4611 
価 格300円/500g
(生梅2kg用)
450円/500g
(生梅2kg用)
50円/1把
(生梅0.5〜1kg用)
塩の仕様ミネラル塩アク出し用:JT原塩
仕上げ用:赤穂の塩
 
塩 分16〜17%20%前後 


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