ここ六年間で栗ご飯を作ったのは実は今回(96/10/23)が始めてである。理由はいろいろある。なんといっても栗剥きが面倒に思われたからだ。ちょっとした事が億劫になると作る気が起きなくなる。これはもう誰がなんといっても仕方がない。そんな時その億劫な気持ちの障壁を下げる便利な小道具達の登場となる。
この道具は雑誌などで知っていたがなかなか買う機会にめぐまれなかった。東京にときどき出張に行く際私は池袋にあるホテルをよく利用する。阪急ハンズに近いからだ。何故か池袋のハンズ店の方がなんとなくなじむ。初めていったハンズ店がここだ、という刷り込み効果なのだろう。
でようやく買うことができた。この手の道具で2,500円はちと高い。が外で食べることを考えると家で作る方が安いしうまくできるだろう、ということで購入。この手のものは買いそびれるとなかなか買えないこともあるし。
出張から帰ってこれを子供達に見せると早速2人とも興味津々。おもちゃと同じ感覚だ(笑)
「北九州ではもう栗のシーズンは終わったよ」という果物屋のおやじの声を聞きながら、薫蒸済みの大きな栗1kgを980円で買ってきた。栗は果物屋で売っているいることすら知らなかった(^^;)。粒にして約40個程度あろうか、大きな立派な栗だ。明日のお弁当の為に剥きだしたのが夜の22:30頃。直ぐに子供達がよってきて、聡思は顔を私の前に突き出して栗くり坊主が皮を剥いてゆく様をじっくり観察。気持ちよく剥ける。うーん。これぞ文明の利器だ。2個目にとりかかろうとしたら、さっそく「僕にやらして」ととられてしまう。聡思が数個剥いた頃に今度は中間テスト中で勉強しなければならない淳思が出てきて、「もう何個も剥いたから今度はお兄ちゃんの番だ」とややふくれ気味の声で交代を促し、剥き続ける。その後また聡思に替わって、また淳思に替わって、彼らは20個程剥き続けただろうか。新しい道具が来た日はお手伝いもよくしてくれる(笑)。
4合米を研いだ後で、モチ米を少し混ぜるのを思い出し、あわてて0.5合のもち米を追加。計4.5合になった米に栗30個程度を予定していたが、大きい栗の為カマにはいらないようなので25個程度に個数を減らす。それでもカマにしかけてみたら5合炊きのカマが炊きあがり一杯になりそうな量であった。時間にして約30分。栗の皮むきは包丁で剥いたり、網でやいてから栗を剥くなどいろいろな方法があるが、この「栗くり坊主」を使うのがもっとも簡単なように思える。渋皮も水上勉風に渋皮を少し残すなんていう剥き方もラクチンにできる。
皮を剥くメカニズムだが、左のギザギザ刃が栗の皮をガッチリ固定し、右の切刃が皮を剥く仕掛けである。果物の皮を剥くときの動作は、右手親指を皮の上にあてて、ナイフをスッとすくうような形で切り込み、また親指を隣に移動してナイフを切り込む、といった繰り返しであるが、この栗くり坊主もそんな手順で剥いてゆくと簡単に剥ける。
電動缶切りとか家庭電化製品は場所をとって狭い日本では出し入れが面倒でそのうち使わなくなるが、この手の小さなツールはあればあったでやはり心強い。できれば1,000円程度にしてもらいたい(笑)、としっかり主夫根性が出てしまう。