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雑 煮

私の仙台の実家のものです。見た目の華やかさはありませんが、野菜たっぷりで美味しいです。
zouni_m.jpg
撮影:1997/12/29、作成:1998/01/04

参考文献:
  1. 仙台の母からの口伝
  2. スープストックの作り方:
    1. 丸元淑生,「新家庭料理」p24-29 暮しの設計No192 (1989)
    2. 寺沢大介、ミスター味っ子 Vol.16 第8話「お母さんの味」p.145〜164 講談社、少年マガジンコミックス

雑煮といえば、みんな育った故郷での味が染み着いていて、どれが一番美味しいかなんていうことにはならないと思います。私の育った仙台で母が作ってくれた雑煮は、具の華やかさを競う見た目よりも、味本位のものです。餅を入れなくてもおいしくて、秋から冬にかけてはときどきスープ代わり作ることも多い一品です。

実家の雑煮の基本は、鶏ガラでとったスープストックです。良い鶏ガラであれば、キチンとスープストックをとると美味しい物に仕上がりますが、そうでない鶏ガラを使うと臭いがきつくなってしまう場合もあります。

実家では普通にとった鶏ガラスープストックでしたが、私が作る鶏ガラスープストックは、牛乳パックなどに入れて、一度冷凍させます。すると比重の軽い脂は冷凍中に上部に集まります。カチンカチンに凍ったスープストックの上部に集まった脂を、お湯で洗い流した後解凍すると嫌な臭いの元である脂がほとんどない、キレイなスープストックを得ることができます。市販の鶏ガラでスープストックを作ろうと思うと、ここまで手をかけないといけません。この方法は上記参考文献から学びました。写真付きで詳細な解説をしている丸元淑生さんの方法を、一度試してみるときっと感心すると思います。

毎回毎回こんな方法でのスープストックは面倒だ、という時は、具となる皮を取り除いた鶏もも肉と昆布で出しをとった方があっさりして食べやすいかもしれません。正月に今シーズン2回目に作った雑煮は、こちらの簡単バージョンで作りました。

材 料 (6〜8人分)
材料分量
大根中 半分
にんじん1本
コボウ1本
たけのこ中 1/2〜1/3
糸こんにゃく1/2〜1袋
干し椎茸3枚程度
鶏もも肉250〜300g
醤油大匙10〜12杯
適量(小匙1/2〜1杯)
昆布10〜15cm
鶏ガラ250〜300g
上記の量は普通の家庭(4人家族を想定)で2回分位の量になります。以下の写真で使用した量は、材料によって異なりますが上記量の2〜4倍程度あります。


時間画 像コメント

60

120
鶏ガラスープストックの作り方
 
 

スープストックの詳細な作り方は、上記文献(2)-1を参照にして欲しい。ここではさわりを簡単に説明する。

まずタップリの鍋にお湯をぐらぐらわかし、その中に鶏ガラを放り込む。この時のお湯は整水器を通した水でなくてもよい。どのみち捨てるお湯だ。強火でそのままにしておき、沸騰してきたら、2〜3分程強火で煮続ける。この間に浮いてきたアクはせっせと取り除こう。その後お湯を捨てて鶏ガラを取り出す。写真(上二段右)のように、色が茶色に変わっている。この下処理した鶏ガラを流水でよく汚れや小さなクズを取り除いた後、整水器を通したキレイな水に入れ、水から強火にかける。沸騰したら火を弱めて煮込む。その間に出るアクは驚く程少ない。当然発生したアクはこまめに取り除くが、つきっきりでアクをとる程発生しない。鶏ガラの下処理の効果だ。火から下ろそうとする10分前位に昆布も放り込んで、その後鶏ガラ、昆布を取り除いて、第一段階のスープストックが終了。

今回はこの段階でスープストックを使用してしまった。ほんのちょっと後悔した。というのも下処理までしっかりしたが、脂を完璧に取り除いていない為、やはり脂っぽく、臭いもブロイラー特有の臭いがちょっとしたからだ。

後悔したくない場合、とるべき道が2つある。

  1. スープストック第2段階へと進む
  2. 具となる鶏もも肉と昆布からあっさりとスープストックをとる
(1)の方法では、この後作成したスープストックを牛乳パックなどに詰め、冷凍させる。その後上部に集まった脂のみ取り除いた物を解凍してようやくスープストックが完成する。

(2)の方法は、今まで説明してきたような面倒な方法はとらず、最初からキレイな水を準備し、昆布を入れ、お湯がわきたつ寸前に昆布を引き上げた後で、具となる鶏もも肉を入れ、色が変わったら、材料となる具を入れる方法である。こっちが簡単で、かつあっさりして美味しい。

スープストックを作っている間
材料のきざみ
 

スープストックでの煮込み中に、後はひたすら材料を切り刻む。拍子木切り(1cm角x4cm長さ程度)と千切りの中間程度の大きさに材料を切る。にんじんやコボウの切り方は、まず5mm厚み位に斜め切りにしたものを、さらに斜めに5mm幅程度に刻むとよい。こうする事により、切った一本一本に、芯と外周が同時に存在することになる。このことにより材料の堅さが均一になり、噛んだときの感触や煮込み具合が均一となる。またたけのこは筍ご飯でカット方法を解説してあるが、根元に近い物ほど繊維に直角に包丁をいれることが頭において他の材料と断面及び長さを整えてカットする。

写真にはないが、糸こんにゃくも野菜と同様な長さにカットした後、熱湯でゆがいておく。また戻したシイタケも5〜7mm程度の幅でカットする。

鶏もも肉は一口大よりも心持ち小さめに。親指の先程度位か。

30

60
煮込み
 
 

通常は5.5リットルのビタクラフト鍋で間に合うのだが、この写真の材料の分量では入りきらず、急きょ14リットルのSUS316の寸胴の登場となった。いつもたくさん欲しがるのだが、今回(97/12/29)作成した分は、聡思(中2)が一回食べさた後、彼は家内の方の実家桑名へ一人帰省。残された2人で全部食べきるのに3日かかってしまった。彼がいなくなるのを計算に織り込まず、通常パターンで作ってしまったことによる。最初に挙げた分量程度がちょうど良いと思う。


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Contents copyright 1997 Mitsuo Sugawara