11月に我が家にあった酒達
左から、さか鶴、鶴の友、久保田、一個おいて清泉、竹林爽風
撮影:1996/11/04、作成:1996/11/17
久保田 壁寿(純米),翠寿(吟醸生酒),千寿(本醸造) 清泉 (特別純米)、酒の香地(特別本醸造) 鶴の友 (純米)、上白(本醸造) 〆張鶴 純(純米),銀ラベル(大吟醸) 越乃白雁 純米 越乃潟舟 夢の段(純米吟醸) 笹祝 (純米)、(本醸造) 麒麟山 金峰(本醸造) 和楽互尊 酒の芸術品(純米) 越乃鶴 (純米) 景虎 (純米)(本醸造) 峰乃白梅 (本醸造) 白瀧 湊屋藤助(純米吟醸)、上善水如(純米吟醸) 越乃梅里 (吟醸) 逆鶴 (純米)(本醸造) |
もれがあると思うが、この6年間に私が飲んだ新潟産の清酒リスト(95年秋に作成したリスト)だ。本数は正確には数えてないけど、たぶん120〜140本位だと思う。飲酒用と料理用が混在している。もっとも料理用も結構腹の中に消える。すべて新潟のある●●商店というところから6本単位で取り寄せている。名前を出したかったのだが、打診したら「名前を出されると今までのお客さんに迷惑がかかるのでやめてくれ」と言われたので、出すわけにはいかない。残念。新規顧客が殺到すると、今までの顧客が予約してなんとか飲めていたブランドの日本酒が入手困難になってしまう、とのこと。蔵元と直接契約しているそこですら例えば久保田などは超入手難となっている。あまりにも有名になりすぎた。せめて久保田の千壽(本醸造)位気楽に飲みたいと思っても本数限定の予約を大分前からしないと飲めなくなってしまった。 ここ2年よく飲むブランドとしては久保田、清泉それに〆張鶴に絞られてきた。味の分類では新潟産の特徴である端麗辛口ってやつだ。水が決め手で産地によって微妙に味が違う。日本酒という言い方は本来間違っている。日本では「酒」といえば日本酒あるいは清酒をさすはずだ。いつのまに、日本酒という間違った言い方が広まってしまったのだろう。悲しい。 我が家では残念ながらワインクーラーがない。これはなんとしても買いたい設備のうちのひとつなのだが、もっと優先度の高い設備群、例えばガスオーブンとかキッチン大改造とかが控えているので、なかなか買うところまで踏ん切れない。買うとしたら丸元さんお勧めのエレクトロラックスのワインクーラーに必然的になるのだからますます手を出しにくい。高いのだ。ワインクーラーは冷蔵庫で代替えがきくからますます優先度は下がる。そう、現在我が家の冷蔵庫の野菜ルームは日本酒のストックヤードになっている。もちろん飲酒用だが。料理用はキッチンの隅にそっけなく放って置かれている。飲酒用の純米が切れた時のみ、片隅にほおっておいた自分を呪うのである。 上の日本酒達は写真撮影された時にあった日本酒達である。うち2本はカラ瓶である。毎週水曜日のカン・ビン類の収集に連続で出し忘れたものである。 私の日本酒の飲み方は冷や専門だ。ぬる燗(熱燗はせっかくの味香りが飛んでしまう)もいいとは思うが、やっぱり冷やだ。冷や酒はコップに注ぐべきではない。しっかり冷やして置いた肉厚の厚い信楽のお茶碗がぐいのみ代わりだ。3杯で二合。ちょうどよい分量だ。人によってはお猪口で飲むのがまっとうな飲み助で茶碗で飲むのは外道、という人もいるようだが、私からいわせればチビチビ飲む方がみみっちい。和風の一品をつまみにグイッと飲みたい分飲むのが正しいといわざるを得ない。また外で飲むとき、おしゃれなお店で飲むのはどうも居心地が悪い。ザワザワしている居酒屋か焼き鳥屋でしっかり食べながら飲むのが好きだ。 よく言われる日本酒の「臭い」はまがいものだから「臭い」になる。純米とかいい本醸造は「匂い」になる。本来酒といったら日本酒。それも純米が当たり前であって工業用アルコールを混ぜて添加剤を混ぜたお酒なんてお酒ではない!....とこの調子で書きだすとキリがない。そのあたりのうんちくは市販されている書籍にまかせればよい。とにかく美味しいお酒は美味しい。香りが、味が、まったりとした..とかいううんちくが好きな人はそれでいい。私は自分の好きな銘柄を自分で作ったつまみとともに楽しんで飲みたいだけだ。 料理論が飲み助論になってしまった。料理に使う酒と飲む酒を区別するのは私は間違いだと思う。さすがに高価な大吟醸などを料理に使うのはあまりにももったいないし、むしろ余分な香りはかえって料理の組立の妨げにもなる。香りの強い吟醸酒などはむしろ料理用には向かないと私は考える。高いから良い酒ではないはずだ。ただ紙パックに入ったいわゆる料理用日本酒などは使わない方がよい。いろいろな添加剤がコテコテにはいったこれらの酒はもはや酒とはいえない。日本酒のもつアミノ酸が料理のうま味の元になるのだから、飲んで美味しい日本酒を使うべきである。料理用としてはやはり純米あるいは本醸造となる。私は今新潟の鶴の友、さか鶴などの本醸造を料理用に使用している。しかし新潟の人にいわせるともったいなくてとんでもないことになるらしい。 純米は飲酒専用だが、これらの本醸造がきれた時は当然純米酒を料理に使う。もったいないという発想は出てこない。おー、これで少しグレードがあがるぞ、と思うようにしている。もちろん純米酒が切れた時は、この料理用としている本醸造酒がお腹の中に消えてゆく。だから料理用酒が飲酒用よりも格下とかそういった意識は私にはあまりない。
日本酒を料理に使う状況だが、これは無数にある。よく使うパータンをランダムにあげてみよう。
私は一般の料理レシピで水、酒、砂糖という配合がある場合は、自己流でそれを酒に置き換えてよく料理をする。上質の日本酒であれば、わざわざ水で薄めなくても砂糖を加えずともよいのだ。ただしコストが問題となってくる。ちょっと試算をしてみよう。 純米酒を3,000円、本醸造を2,000円と少し高めにキリのよい価格に設定する。 通常の合わせ調味料として使う日本酒の分量は4人分で大匙1〜2杯が平均だろう。大匙1杯15mmリットルとする。
上の表をみて本醸造でも高いと感じる方が多いと思う。しかし、毎日カップ1.5杯使用するような料理はまれだ。むしろ毎日使う量としては大匙2杯程度の量が妥当な線だろう。この価格を高いとみるか安いとみるかが料理に対する個人の感覚の差となる。私は自分の価値観を押しつけるつもりはもうとない。ただ後味のすっきり感、うまかったという満足感を考えると私にはこのコストはささいなものに感じる。そういう発想があるから調味料関係には多少高くてもいいものを使いたい、という選択肢を選んでしまう。それにこれは飲酒用、こっちはまずくて飲めないので料理用という使い分けの分類に抵抗を感じる。飲むも食べるも味わいを支配する同じ酒だからこそこだわりたい。 カツ丼の他魚の煮付けにも水と砂糖を使わずに酒と醤油だけ使って煮付けると砂糖をたっぷり入れた煮付けとはまた違った味わいを味わえる。砂糖がたくさん入ったいわゆる「甘カラ煮」は私は苦手で、外では食べられない。素材のもつ本来の味が砂糖によって完璧にころされて何を食べても甘からさしか下に残らないからだ。せめて砂糖をもう少し控えめにして素材のもつ味をなんとか表に出して欲しいと私個人は願うのみである。上の簡単な試算表をみてもわかるように商売で日本酒を贅沢に使うということはまず考えられない。むしろ家庭でこそこういった贅沢を味わえるのではないかと考える。 |
冷 や 酒 用 | ||
清 泉 | 久保田(紅壽) | 竹林爽風 |
特別純米酒 | 純米酒 | 純米酒 |
久須美酒造 | 朝日酒造 | 笹祝酒造 |
画像引用打診 するも返答 なく表示断念 | ||
主 に 料 理 用 | ||
鶴の友(上白) | さか鶴(佳撰) | |
本醸造 | 本醸造 | |
樋木酒造 | 横山酒造 | |